ピアノ調律サレルノ ピアノの調律・修理・調整などについての疑問にお答えするページです。
答えうる範囲でわかりやすく丁寧に説明して参りたいと思います。
Q1:調律の作業自体ピアノメーカーに因って違うのでしょうか?
Q2:前回調律をおこなってから何年も空いてしまい不安です
Q3:ピアノを弾いていなくても調律は必要でしょうか?
Q4:調律の前後で何も変化が感じられません‥
Q5:調律は技術者によって相当違うものなのでしょうか?
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調律の作業自体、ピアノメーカーによって違うのでしょうか?
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前回調律を行ってから何年も空いてしまい不安です。
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ピアノを弾いていなくても調律はやっぱり必要でしょうか?
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調律の前後で何も変化が感じられません‥。
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調律は技術者によって相当違うものでしょうか?
調律の手法自体には国産・外国産にかかわらず、メーカー(機種)による差は殆ど無いと言って
良いと思います。
ただし、作業中の調律師は、ピアノの音を全体としての響きから、最適と判断するところを常に意識して
感じ取りながら作業を進めているのは事実です。メーカーの設計思想が自ずと結果として顕れます。
例えば、スタイウェイの音、ペトロフの音、ヤマハの音、カワイの音というのは楽器固有のものであって、
素材や設計、製造工程の技術者たちの思想によって決まるいわば先天的なアウトラインが有り、
調律もそれにそって行われるべきもので、それが我々の責任でもあります。
現在はA=440又は442Hzを基準に平均率で調律が行われるのが一般です。
期間がどれだけ空いていても、心配なさらないで下さい。
2〜3年くらいの空白期間ならば、調律という面からすると、それほど問題ございません。
お客様としましては、ちょっぴり調律師に来てもらうのを躊躇されるかもしれません。
しかしどんな状態であれ、お客様のピアノを診せて頂けたらと思います。
調律を長期間しなかったピアノは概ねピッチが下がり、単音・オクターブの濁り
や唸りなどがかなり生じてることが殆どです。またでアクションの動きが悪くなっていることも予想されます。
もしかすると弾いても出ない音がところどころあったり、又ちゃんと止まらない音が在るかも知れません。
このように実際に診てみなければ判断できません。でも私ども調律師は
このようなピアノに出会うと寧ろやり甲斐を感じるものです。
勿論お客様とピアノの状態を実際に見ていきながら説明させて頂き、
そのうえで作業を決めます。ご心配なくぜひご相談下さい。
「昔は子供がピアノを習って弾いていたけど今はぜんぜん弾かなくなった。
だから、調律は必要ないはず。」
勿論、弾き手あってこそのピアノですから調律の必要があるかと尋ねられると
あくまで持ち主であるお客様の判断に委ねられます。
例えば、クルマも長い間乗られることもなく放置されていれば、エンジン内部やホイールの回転軸、ブレーキ
などが錆び付いてしまい、そうなると全く走れなくなってしまうか大修理になることでしょう。
家も人が住んで居なければどんどん傷みが進んでしまいます。それと同じ事がピアノにも言えます。
大切なのは、いつも少しだけでも弾いて動かしてあげること。
そして可能であれば最低年に一回のメンテナンスを行えば、長い目で見たとき品質の持ちが
まるで違いますし、ピアノとして楽器としての能力を保ち続けることが出来ます。
調律をする前と後で弾き比べて、何となく良くなったような気はする。でも正直、
何が変わったのかよく分からない。そんな声を聞くことがあります。
もしかすると大半の方が同じようにお考えになるかもしれません。
そもそも音楽をする以上は、どんな楽器にしても声にしても正確に音程が出せなくてはなりません。
あえて狙って外す技術とかジャンルもありますが、それはあくまで意図するものであり、
もしそうでなければただただ人間は、不安定に感じるものです。
それにピアノという楽器は一個の音響装置として調和を求めるものです。
半音以上もピッチが下がっているなどの場合を除いて、我々調律師はとても微妙なところで
音を聞いていますがだからと言って作業が神秘に満ちているとか特殊ということはありません。
我々のするべきことは唯一、注意深くピアノの導くままに音を整えていくということです。
そこに調律師の個人的な趣味・趣向・主張など、入り込む余地はないと思います。
調律され調和の蘇ったピアノは、清々しく、弾いていて気持ちがいいものです。
例えばドビュッシーの水の反映の最初のバスの主和音の上にそっと載せる美しい左手の旋律の響き、
またショパンの舟歌の出だしを弾いたときに、曲の瑞々しさや作曲家の心の情景までもピアノが自然に
豊かに響かせてくれるようになります。音楽の基本はまず静かに注意深く音を聞くことから始まります。
ピアノの音にもっと耳をそばだててみて下さい。
そもそも技術者にとっても、毎日の体調の違いがあったり
作業をする場所で集中できるかどうかの問題や、また
ピアノそのものの状態や個性も色々と違うもので、毎回同じ調律・作業をするという意識は
あまりありません。
それでも、技術者には各々に感覚的な信念が在るのも事実だと思います。
作業の中で、ピアノが置かれた環境の中で調律についても、より自然に美しく音楽的に
演奏できるようにという願いを込めていくのは私たちにとってごく自然な態度だと思います。
ユニゾンの合わせ方、オクターブなどに代表されるように様々な方法論が存在するようです。
ピアノにおける作業のなかで調律の占める割合は実はわずかですが
そのわずかな範囲の中にもとても奥が深くて追求しつづけていく価値のあるものだと私も
思っています。